ファイルサーバ管理の悩みを軽減、ストレージベンダーがタッグ
分散したファイルサーバ管理はIT管理者にとって悩みの種だ。ブロケードとネットアップは、グローバルネームスペースを軸にファイルサービスの管理性を向上させようとしている。
ファイルサーバにさらなる管理性を――ブロケード コミュニケーションズ システムズと日本ネットワーク・アプライアンス(ネットアップ)は、ファイルサービスの管理性の向上を目指し、物理的なサーバのディレクトリ名を指定せずにファイルにアクセスできるグローバルネームスペースを推進する。
ファイル管理ソフト「Storage X」をネットアップにOEM提供するブロケードと、ファイルサーバ市場で高いシェアを持つネットアップ。両社が足並みをそろえることで、ファイルサービスに柔軟性のある管理性を提供したい、という。
オフィス文書などの非構造化データは、ファイルサーバによって共有されているが、多くの場合その環境は分散している。この各所に散らばったファイルサーバの管理はIT管理者にとっては頭の痛い問題だが、グローバルネームスペースを使えば、ファイルサーバの管理作業を容易にできるという。
クライアントとファイルサーバを引き離す
「NetApp Virtual File Manager」(VFM)は、ネットアップがブロケードからOEMを受けて提供しているソフト。グローバルネームスペースだけでなく、レプリケーションやマイグレーション、アクセス権制御といったファイル管理機能を提供する。
ファイルは、そのデータの性質から格納する物理的な位置を変更しても問題が起こりにくいが、その変更がダイレクトにエンドユーザーに影響してくる。そのため、1つの変更も行うにも通知が必要となる手間のいる作業となる。これをグローバルネームスペースでエンドユーザーから透過的にすることで、背後でのデータの移行ファイルサーバ統合といったインフラ作業が容易に行えるという。「データマイグレーションを行う際のヘルプデスク作業がなくなるのは大きい」と阿部氏。
打倒Windowsファイルサーバへ
ネットアップでは、さらに「Windowsファイルサーバ市場に切り込む」ツールとも位置付ける。VFMのグローバルネームスペースでインフラをエンドユーザーから抽象化してしまえば、ファイルサーバの種類を問う必要がなくなるため、統一された管理プロセスとして、同社のストレージ製品にからめ捕ることも可能になるからだ。
「ファイルサーバ統合に向けた最初のステップとなる。さらには将来の統合ソリューションとしても機能する」(阿部氏)
米国ではコンプライアンス需要とともにVFMが導入されたケースが多い。日本の内部統制がらみのコンプライアンス機運の高まりが、ファイルサービスに対する管理ツールへの要求を一層高める、と両社は連携を深めていく。
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